その昔作った賞味期限切れプログラムの物置小屋です。
N80はNECが1979年より発売していた8bitコンピュータの名機「PC-8001」のエミュレータです。
まだ、パソコンがマイコンと呼ばれていた時代の8bit機で4MHzのZ80(uPD780) CPUを搭載した国産マシンの草分け的存在です。ある世代の方々なら、大抵はご存知のベストセラーマシンです。
Z80 CPU 及び PC-8001の主だったデバイスをエミュレートしています。しかしCRTCの属性機能については、完璧に再現されているわけではありません。
当時、雑誌に掲載されていたダンプリストを皆で必死で打ち込んだものですが、こうしたテープに収められたプログラムさえ(それなりに)動きさえすれば良いという方針の元、ハードの完全エミュレーションは目指していません。
DirectX 7以上のWindows(10/11)互換機で動作します。
動作させるには実機のROMが必要です。PC-8001より何らかの手段で抽出し"PC-8001.ROM"というファイル名で実行ファイルと同じディレクトリに配置してください。又、PC-8801のN-BASIC ROMでも動作します。その場合は"8801-N80.ROM"というファイル名にしてください。
また使用可能なイメージはN80/CMT/T88形式です。N80形式は独自のイメージファイル形式で、実機のRAMの内容をそのままダンプしたものです。CMT/T88はカセットテープに出力されているデータの内容そのもので、実際にエミュレータ上でcloadやモニタのLコマンド等で読み込み実行します(詳細はこちらを参照のこと)。
N80では実機のKey以外にアプリケーションの制御用として以下のKeyが割り当てられています:
[F7] 設定画面 [F8] MUTE機能。音声のON/OFFをトグルで切替 [F9] N80/CMTファイルの選択 [F11] PCG切替トグル [F12] リセット [END] エミュレータの終了 [SHIFT]+[F12] 全画面切替(Windows版) [ALT]+[INS]+[1|2] フロッピーディスク挿入 (drive 1 or 2) [ALT]+[DEL]+[1|2] フロッピーディスク排出 (drive 1 or 2)
ここで公開されているいずれのプログラムも、その使用(または使用できないこと)によって発生した如何なる損失や損害に関しても当方は一切責任を負いませんのでご了承ください。各自、自己責任の範疇においてご利用ください。公開しているバイナリは、一応ウィルスチェックを行っておりますが、再度ご自分でチェックされることをお勧めします。
また、ROMの不正な入手方法やイメージの入手方法等に関する一切のお問合せにはお答え出来ませんので悪しからずご了承ください。
DirectX用の最新版は1.86です:N80DX186.zip(VC2019Community用ソース/バイナリ)
Linux用の最新版は1.86です:n80lx186.tar.gz(Ubuntu24LTS x86-64bit用ソース/バイナリ)
PC-8001は私にとって思い入れの深いマシンでした。今と違って多くの雑誌にゲームのダンプリストが掲載されており、それを必死で打ち込んでは遊んだものです。そんな苦労の賜物であるテープを何とか今に残したいという想いも実現出来き、その使命も果たされたことと思います(それがN80を作る動機でしたから)。
もうすっかり旬を過ぎたプログラムですが、70年代、80年代の多くのマイコン少年(少女)達にとってコンピュータが"手段"ではなく"目的"だった時代の8bit名機を少しでも楽しんで頂ければと思います。
気が付けばMS-DOS版のN80から30年以上も経ってしまってたんですね、、、
令和の世になっても、まだまだPC-8001の新作ゲームが作られ活躍されている方々がいるとは想像もできませんでした。もうアクティブには活動していませんが、今でもネットでレトロPCの話題を見ては楽しませて貰っています。
月刊ASCII 1997年10月号 パソコン秘宝館 第18回 PC-8001エミュレーター ASCII p.464
The Emulators -エミュレーター大全- 秀和システム 1998/07/08 p.24
突撃インターネットPC Vol.1 SOFTBANK 1998/12/23 p.69